テキストサイズ 小 |中 |大 |


HOME > グリーフの基礎知識 > 子どもの悲嘆

 大人と同様、子どもの悲嘆にも大きな個人差があり、また年齢によっても違いがみられます。乳幼児期の子どもでは、“死”の意味はわからないものの、まわりの大人の感情や環境の変化を察知し、食事や泣きかたが不規則になることがあります。思春期の子どもでは、感情を表現したり、死別体験について話したりすることへの抵抗感がみられるかもしれません。

 子どもの主な感情的反応として、悲しみや怒り、罪悪感に加えて、不安が挙げられます。子どもが感じる不安のひとつは、自分にも同じことが起こり、死ぬのではないかという不安です。夜、寝つけなかったり、悪夢にうなされたりすることもあるかもしれません。また、他の家族もいなくなってしまうのではないかとの不安を抱く子どもや、これからの生活を心配する子どももいます。

 子どもの場合、悲嘆が言語的に表現されるのではなく、頭痛や腹痛などの身体の痛み、微熱、吐き気、食欲不振、不眠、夜尿、夜驚、チックといった身体症状として示されることがあります。一方で、落ち着きのない態度や攻撃的な行動、不登校や学習上の問題としてあらわれることもあります。

 幼少期や思春期における親との死別体験が、成人期のうつ病や不安障害などの精神疾患につながる危険性については、必ずしも明確な関係性は認められていません。そこには、死別時の年齢、死別後に直面した困難なできごと、残された親の精神的問題など、複数の要因が複雑に介在しており、とくに故人亡き後の家族環境が重要な要因であると考えられています。