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 喪失悲嘆は、大切な人の死を予測した時から始まります。そのため、病院で治療を受けているときから、医療者は家族への悲嘆の支援を行う必要があります。家族が、大切な人は十分な医療を受けることが出来た、死を避けることは出来なかった、と思えることが、死別後の悲嘆と向き合う際の支えになります。良い看取りが医療者の出来る最大の遺族支援ではないでしょうか。

 死別後、遺族が心身共に不調になることは広く知られています。特に精神面では気持ちの落ち込み、意欲もない、眠れない、食欲がない・・・といった症状がみられます。こうした症状は死別後、多くの遺族に共通して現れ、ある程度の期間続きます。しかし、時には症状がとても長く続いたり、悪化したりすることがあります。この場合は、死別後の症状に「うつ病」や「複雑性悲嘆」が重なっている可能性を考えなければなりません。死別は人生で最もストレスフルなライフイベントであり、特に高齢者においては、死別はうつ病発症の最大の危険因子であると報告されています。このようなうつ病を含む、遺族のさまざまな症状に対し、医療機関として援助を行っている場所があります。

 埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科「遺族外来」では、これまでに200名以上の遺族が受診しています。薬物療法やカウンセリングなど必要な医学的な援助を行いながら、人生への再適応を目標に一緒に取り組んでいます(Ishida et al.,2011)。死別は個々が乗り越える問題と考えられがちですが、時には必要な医学的援助を勧めることも、大切な遺族への支援になるのです。

 埼玉医科大学国際医療センター 精神腫瘍科 「遺族外来」
http://www.saitama-med.ac.jp/kokusai/division_info/16.html
※がん患者遺族のみ対象